京都洛北の顕本法華宗 妙満寺です。
山門をくぐると、まず目に入るのが本堂と本堂左手に見える、お釈迦様と縁の深い、インドのブッタガヤ大塔を模して建てられたと言う「仏舎利塔」。
仏舎利塔はお釈迦様の遺骨が納められているとされる塔で、日本にも各地に両手両足の指では足らない程の数があるようで、仏舎利塔巡りをされる方々も少なく無いんだとか。
まずは本殿で手を合わせ、仏舎利塔、そして、寺務所ヘ向かい本堂~雪の庭~展示室、今回の私の一番の目的は、展示室の安珍・清姫の鐘でしたが、比叡山の眺めは素晴らしく、春のサクラにツツジ、秋の紅葉、四季折々の庭園眺めなど、
京都の町中に有る神社仏閣とはまた違った静かな空気が流れる、風光明媚な景色をたっぷりと満喫することが出来ます。
妙満寺について
日蓮(にちれん)を宗祖とし、日什(にちじゅう)を開祖とする顕本法華宗の妙満寺。
詳細は公式サイトを見ていただくのが一番確実かと思います。
室町時代から続く歴史の有る寺院で、京都の市中で移転を繰り返しながら、現在の洛北岩倉の地に移ったのは1968年(昭和43年)との事です。
>>> 妙満寺公式サイト
道成寺伝説「安珍・清姫の鐘」
道成寺伝説というのは、安珍と清姫と言う男女の物語、恋に狂った清姫が、道成寺の鐘の中に逃げ隠れた安珍を焼き殺してしまうと言う、和歌山県の日高郡に伝わる物語なのですが、
歌舞伎やお能、人形浄瑠璃ほか、古くから有る日本の芸能でも盛んに演じられ、道成寺物として現代の世においても新作が作られるほど、盛んに演じられています。
遠く琉球の地の芸能である組踊にも「執心鐘入」と言う道成寺物が、300年ほど昔から演じられていることには驚かされました。
前置きが長くなりましたが、この道成寺の釣鐘が京都洛北の妙満寺にあると言う不思議。
これは、安珍・清姫の物語の後、道成寺では焼失していた鐘を復活させたものの、界隈では災厄続きとなり清姫の祟として山林に埋められてしまいました。
それから、200年後の「秀吉根来攻め(1585)」の際に、この話を聞いた秀吉の部下の武将が、鐘を掘り起こして京都に持ち帰り、妙満寺へと納められたとのこと、
残念ながら、安珍・清姫の鐘は撮影禁止で画像がありませんが、思っていたよりも小さな釣り鐘で、鐘の中に隠れるのはかなり窮屈だなという感想、もともとの鐘はもっと大きな物だったのかもしれません。
今では、妙満寺の鐘は物語の生まれた道成寺へ里帰りするイベント?も行われて居るとの案内がありました。
名庭「雪月花の三庭苑」の雪の庭
俳諧の祖と呼ばれる、江戸時代の初期に活躍した松永貞徳(まつながていとく)が造営した枯山水の庭園です。
清水寺の「月の庭」、北野天満宮の「花の庭」と妙満寺の「雪の庭」を名庭「雪月花の三庭苑」と呼ぶそうで、1968年に寺町二条からの移転の際に、そのまま持ってきたそうです。
なるほど、冬景色のこの庭の美しさは、緑の風景を眺めていても想像出来ます。寒さが苦手な私も、ぜひ一度、と本気で思ったと同時に、月の庭と花の庭も、機会を作って足を運びたいと思うほど、心惹かれる庭でした。
アクセスと拝観料・拝観時間
【アクセス】
叡山電鉄 出町柳駅から鞍馬方面「木野」駅下車、徒歩10分ぐらい。
バスでのアクセスの際には
京都バス(40・50系統)「幡枝(妙満寺)」下車すぐ
京都バス( 46系統 )「幡枝」下車、徒歩5分ぐらい、
車でのアクセスも、大きなパーキングがあります。
【拝観料と拝観時間】
大人 500円 小・中学生 350円
本坊 9:00~16:00
境内 6:00~17:00